子どもが居場所を見出すこと

 今年度発足したこども家庭庁で、こども家庭審議会という会議体が設置され、その中にこどもの居場所部会という部会が設置されたようです。今年の5月に設置、子どもの支援を行うNPO法人や居場所関係の団体、障害児支援の協議会、有識者など20名から構成されていることが、こども家庭庁のホームページで確認できます。そのこどもの居場所部会の直近の会が9月6日に行われたようで、その会議資料もホームページに掲載されています。その中には、子どもへのヒアリングを行った結果も載っていて、子どもが居場所と感じる要素として、(ア)親しい人とのつながり、安心・信頼関係、(イ)好きなもの・人がいる、好きなことができる、(ウ)落ち着ける、(エ)だれかと交流できるの4点があがっていて、そのうちの(ア)では、放課後等デイサービスもあがっていました。もちろん、これは個々の子どもによって、さまざまでSNS上でのつながりや家(実家。祖母の家)という子どももいるようです。
 特に、場所によっては、しんどい思い、自分に対してネガティブな気持ちにかられやすい障害がある子どもにとっては、放課後等デイサービスや学童保育所が自分の居場所と思えることもかなりあるでしょうし、私たち従事者は、そういう場であることを目指していくべきだと思います。日々の生活の中で、自分が安心できるところ、安らげるところがあるかどうかは、情緒を育んでいくうえでもとても大事な要素だと思います。
 今回のこどもの居場所部会でのアンケートでは、好きなもの・人がいる、という要素で友達がいる(学校・部活・公園)とも上がっていて、振り返ってみれば私たち大人もそういう場所や人、好きなことがあって育ってきたのではないでしょうか?私にとっては、高校時代は図書室やクラブであったり、大学はそもそも規模の小さい大学だったのでゼミやサークルなどいくつかの居場所を持つことができました。それらは、今でも貴重な財産だとつくづく感じています。だからこそ、私たちは、まず子どもにとって、自らの居場所だと思えるところを見いだせること、そこで出会った人たちとさまざまな経験を得ていくことを大事にしていきたいものです。

                                                                 森