障害福祉サービス等報酬改定検討の行方

 前回のこのブログで取り上げた、現在数か月にわたって会議が行われている(月3~5回ペース)令和3年度障害福祉サービス等報酬改定検討チームの障害児通所支援を議題にした10月5日分の議事録が、10月27日付で厚生労働省のホームページに掲載されています。その議事録を通読しましたが、障害当事者の保護者でもある有識者を中心に多くのアドバイザーから厚生労働省の改定検討の方向性について意見が出されていることがわかります。アドバイザーは、よく事業所の実態を知っておられて、現在の放デイの区分1と区分2に分ける方法が、現場の実態に応じた評価になっていないこと(延べ利用者数で指標該当児が50%以上か未満かに関わらず、例えば10人の利用児童のうち、2~3人が行動障害がある子どもがいたら相当な支援技術がいるだろう)に意見されていたり、現在の判定スコアの聞き取り方・判定に相当なバラツキがある、という事を行政現場のアドバイザーも意見されています。また、「サービス提供」時間が30分未満というところと長時間見ているところとで、同じ報酬額というのはおかしいのではないか、という意見も出ていることが分かります。中でも、行動障害を起こす子どもへの支援への評価を最優先してほしい、というアドバイザーの意見は、行動障害は作られる障害で、そうならないような取り組み・支援が必要が大切であるという事も強調されていて、そのような議論の結果として、どのような新しい報酬設定になっていくのか、今後注目必要があるかと思います。もうひとつ付言しておくと、現在は放課後等デイサービスの対象者になっていない専修学校生も対象者に含めるべきとも、多くのアドバイザーが発言されています。
 報酬改定検討チームの会議は、その後も順調に開催されていて、今日・10月30日は、計画相談支援・障害児相談支援などが、議題として上がっています。その会議資料を通読しますと、基本相談への評価は依然としてないものの、計画作成や(モニタリング対象月に)モニタリングを行った時だけでなく、モニタリング対象月以外での業務への評価というのがはっきり打ち出されるようになりました。このこと自体は、当然のことで、利用者にモニタリングを行っていなくても、他機関との調整や会議実施(参加)したり、利用者宅に訪問して面談を行ったりすることでもって評価されるという現場の業務負担に沿ったことと思います。厚生労働省の美辞麗句に反して、不当に報酬評価が低かった相談支援が、やっと少しは実態に沿った報酬評価につながればいいな、と思われる内容がようやく出されるようになったと思いでいます。

                                        森