放課後施策という視点・論点

今年6月30日に厚生労働省が設置する社会保障審議会児童部会の放課後児童対策に関する専門委員会が開かれて(この日が専門委員会の11回目と言います)、障害児に限らずすべての学齢児の子どもを視野に置いた放課後施策の再検討作業が行われているようです。この会議資料には、子どもの放課後施策や施策ではないものの民間事業者が独自に取り組んでいるものも羅列して、放課後施策の再検討に資するようです。ここで挙げられていたものは、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所の主流がここに当てはまるかと思います)、放課後子供教室、児童館、児童遊園、子どもの生活・学習支援事業(地域によっては、子ども食堂でこの事業に乗っているところもあるのかもしれません)、生活困窮世帯の子ども学習・生活支援事業、放課後等デイサービス、日中一時支援、ファミリーサポート事業、プレイパーク・・・と続き。博物館や図書館まで併記していましたが、国や自治体の施策として行っているものもあれば、行政施策ではないもの(プレイパークなど)も含まれていて、この資料でどのようにまとめていこうとしているのかなかなか見えずらく思いました。ただこの中で児童館については、その在り方について検討するワーキングチームが設置されることがうたわれています。そのこと自体は悪くはないですが、例えば現在、大阪市には公設公営の児童館という名称の建物はなくなってしまっていて(子ども子育てプラザなどがその代替機能を担っているのかもしれませんが)、児童館がない自治体のことはどのように施策を整備していくつもりなのか気になるところです。上に並べた事業の中で、地域によっては児童館の中で行われている事業もあれば、民間任せになっている自治体もあったり、かなり自治体間で違いがあるところをどう整備していくつもりがあるのかないのか心配なところです。

一方で、この委員会の主な論点の一つとして、インクルージョンの推進が上がっていて、これは放課後等デイサービスと放課後児童クラブの交流ないしは移行(放課後等デイサービスから学童クラブへの)をどう進めていくのか、あるいはそうではないのか、今後の議論とその結果のとりまとめとともに、実際にはどう進められるのか、とても気になるところです。委員会の議論は今年度末には報告書として取りまとめられるとされているので、今後のこの専門委員会の議論の行方は要注目と思っています。