子どもの生活圏とデイ

 前回のこのブログで、大阪市では放課後等デイサービスがもう500カ所近くになるということを書きましたが、この数は、大阪市立の小中学校の数(およそ450校)をすでに超えています。厚生労働省が、当初中学校区に1か所ぐらいという事業所数を見込んだ制度設計ということからしても、もうその数倍の数に大阪市内では達しているといえます。
 ただ、放課後等デイサービス(児童発達支援にしても)は、事業所ごとでその活動内容やどんな障害を持った子どもが利用しているのか、ということにかなり差があるということも前回、書きました。その中には、子どもの生活圏をあまり意識せず、電車や車で30分以上もかかって、利用(通所)するのが中心となっている事業所もあります。ですが、子どもの生活圏、つまり子どもの生活地域に放課後等デイサービス(児童発達支援)があるのかどうかということは、もっと事業所を利用する上で選択する際の大きなポイントと捉えた方がいいのではないか、ということに、デイに来ている子どもたちの様子を見ていて、感じることが多いです。
 デイのある小学校の子どもが利用者であるときは、デイから出かけて、近くの公園に行けば、小学校の同級生や知っている子に出会い、時には一緒に公園で遊ぶこともあります。インクルージョン、つまり溶け込んでいるという観点からすればこの風景は望ましい姿と言えます。あるいは、厚生労働省が放課後等デイサービスガイドラインで、学童クラブや児童館など障害のない子どもとの交流があるか、をあげていることからすれば、もっと自然な形に近い形で、利用児童以外とのやり取りが行われているといえます。
 地方はともかく、都市部では子どもの生活圏にデイ(事業所)がたいがいあると思われます。どこのデイを利用するかは、利用できる曜日時間や送迎のこと、そしてもちろん活動方針などによって選択することになるのでしょうが、子どもの生活圏の中にあるのかどうかも子どもの生活を考えたときに重視してほしい項目のうちの一つと考えています。私が相談支援で、保護者や関係者からどこを利用したらいいか、という相談を受けたときには、こんなことも念頭に置いて事業所に繋げることを図っています。

                             森