多面的な支援~一事業所でできることとそうでないこと
年度末を迎え、学校や行政の方の異動の話がちらほら耳に入ってきます。とりわけ、東住吉区で障害児支援を行っている私たち事業所にとっては、十年以上にわたって在職されていたある家庭児童相談員の方が、家庭児童相談員としては退任されるということには、感慨深いものがあります。というのも、東住吉区では、私たち事業所と区子育て支援室、特にその一角である家庭児童相談員とのやり取りは頻繁にあり、障害がある子どもやその家庭に対して連携を取って支援にあたることも珍しいことではありません。ただ、こうした状況は、私が聞く範囲では他区ではあまりないようで、東住吉区は人に恵まれていると言えるのかもしれません。そして、こうした状況は勝手にできたものでは当然なくて、今回退任されるベテランの家庭児童相談員の方が、十年も前からそういう風土を作ってくださった面も大きいと感じてきています。
振り返ってみれば、私は大学生時代に児童相談所(現在のこども相談センター)に社会福祉実習に行って、児童相談所から区役所に出向くこともよくありました。当時は、まだ市に子育て支援室というのまだなく、家庭児童相談室と言っていたかと思いますが、そこで児童相談所と家庭児童相談室とのつながりも知ったのですが、措置費時代だったので、障害児への支援の社会資源は範囲も量的にも現在より相当限られていたと思います(一学生がそれ以上のことを知らないでいただけの面もあるでしょうが)。
東住吉区の子育て支援室とは、区の地域自立支援協議会子ども部会にも参画していただいていて、ともに子ども部会の学習会や事業所見学会を行ってきています。省みて、私たち一法人一事業所でできること、なすべきことは当然ながらいくらもありますが、一方で限界もあって、それは他事業所や学校、また子育て支援室をはじめとした行政などとの協働なしにはできない、あるいは充分ではないことも多々あります。自分たちで行うこと・担っていくことを自覚しつつ、他方で何でも自分たちだけでできるなどと言う過信もせず、支援にあたっていくことが大切であると思っています。
森