チームワーク

 世界陸上やバレーボールのテレビ放映もある中、なんだかんだ言いながらも今、日本で開催されているラグビーワールドカップ。それなりに盛り上がってきていると感じています。4年前のワールドカップ(ラグビーの場合も、オリンピックやサッカーと同じく4年に1回ワールドカップが開催されます)で、南アフリカを破ったのに続いて、今回も優勝候補の一角・アイルランドにも競り勝ったことで日本代表の評価もより高まってきています。アイルランドに優勝を夢見ている私的には、日本の勝利もちょっぴり複雑な気持ちです。

 それはさておき、今回のテーマはチームワークです。
 数ある球技の中でも、ラグビーの1チーム15人というのは相当多い人数です。ラグビーの草創期には、もっと多人数だったという話も聞いたことがありますが、現在のような形の競技になってからは15人で行われるのが一番一般的です。(オーストラリアには、プロリーグの13人制があったり、セブンズと言って7人制の世界大会もありますが=因みにオリンピックでは、試合時間が短く競技日程も短期間で行いやすい7人制が採用されています=15人がスタンダードな人数です)
 1チーム15人というのは、一つのチームとして、得点や反則などがない限りずっとプレーが続く競技で、意思疎通・意思統一を図るのにはかなりハードルの高いものがあります。試合中も絶えず声を掛け合って自チームのプレー選択や相手プレーに備えているのですが、前の方にいる選手と後ろの方に位置している選手とは、相当の距離があり、コミュニケーションもとりずらいものです。しかも大きな試合ともなると、観客席の声にかき消されて選手同士の声が届かないこともあるといいます(実際そうだと思います)。だからこそ、普段の練習の時から、試合中のさまざまな局面を想定して、どうプレーしていくかを話し合い、また個々の選手の特徴や強みをどのように生かしていくかを組み立てていくといいます。もちろんチーム作りは、監督やヘッドコーチといった指導者のデザインによるものが大きいですが、試合が始まってしまうと監督やヘッドコーチは観客席にいるのが一般的で、選手自身が判断しないといけない要素・局面が他の球技に比べてもかなり大きいと言われています。だからこそ選手個々が勝手に方向違いのこと(プレーのイメージ・選択)を思っていてはプレーは途切れてしまうので、意思統一されていることはとても大事なことになってきます。
 チームの15人は、ポジションごとに求められる役割や特徴も違っていて(例えば、力が強いとかジャンプ力があるとか足が速いとか)、でもプレー中には、例えば普段はボールを蹴ることがほとんどないポジションでも蹴らないといけない場面も出てきたリ、状況に即したプレーが求められます。そして、それもこれも含めてチームワークがきちっとできないといいゲームができないスポーツだと言えます。世界的に傑出した選手が一人二人いても勝てない、ということはまま見られます。スポーツニュースなどでは、トライを決めたところだけが映し出されますが、実はほとんどの場合、そのトライに至るまでに、観客からは見えにくいところも含め多くの選手が、ボールを獲得し相手に奪還されないようにボールをつなぐ行為があって、初めてあのトライの場面に結び付くのです。
 お互いの得意不得意を知って、そこを活かす(又はカバーする)ことによっていいチームになり、いいゲームができることになります。そんなことをラグビーに教えてもらいながら、私たちの仕事もいいチームワークが組めるようにしていきたいものです。そして、それは単に自分とこの事業所の所だけでなく、他事業所との人ともつながって、いい仕事ができるようになっていきたいと思います。信頼できる仲間が増えていくことが大事だとつくづく思うこの頃です。

                                森