はじめまして
一般社団法人まはえを設立してこの8月で10年になります。 児童デイサービス「ちゃんぷる」ができてからは11年目に入っています。10年前の区内の状況、また近隣区も含めた大阪市の状況からすれば隔世の感があります。10年前はどこでもいいからとにかくデイに行かせたい、デイに行きたい、ということからかなり遠方からの利用希望の話も舞い込んできましたが、今や良くも悪くも選ぶことができる時代になりました。そんな時代で、まはえでは何を大事にしていきたいかを折に触れて綴っていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、今日も内部研修で取り上げた映画「万引き家族」の話から話したいと思います。
「万引き家族」は、先月、世界的な映画祭・カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを、是枝裕和監督が、日本の映画監督としては「うなぎ」で受賞した今村昌平監督以来21年ぶりで受賞したという事で世間でも話題になっています。
私は、是枝監督作品をデビュー作の「幻の光」以降、ほとんど観てきていますが、いつもながらではありますが、映画を観終わった後、立ち止まって考えるということをいやがうえにでも強いられる作品でした。実在の年金不正受給事件にヒントを得て作られた作品、これも是枝作品ではよく見られることです。
血のつながっていない家族、ネグレクト・・・ たぶんマスコミでは表層的になぞられがちなことを、映像は、そこで生きている家族の視点で描いています。私たちに求められるのはものごとを重層的に見る(捉える)目だと改めて思います。
少女・ゆりがその生を育んでいくのは、どこが良かったのか、映画を観終わった後も深く考えざるを得ません。自分がもし、この家族、そしてゆりに出会ったらどうしただろう、何ができただろう、と。
身近な人たちに、最近はことあるごとにこの映画のことを話しています。子どもに関わる仕事をしている人にはぜひ観てほしいと思っています。(余談ですが、でも個人的に是枝監督作品で一番好きなのは、今でも歌手COCCOのドキュメンタリー映画「大丈夫であるように」という10年ぐらい前の作品です。)
森