がんばらなくていい~放課後等デイサービスの存在意義

昨日、映画 「小学校~それは小さな社会」を観てきました。東京・世田谷区のある区立小学校の2021年度の1年間を追いかけた作品(ドキュメンタリー映画)で、何百時間に及ぶ撮影から90分余りの作品に編集されたもので、6年生の担任教師や校内放送に携わる二人の児童、1年生のベテラン教師と何人かの児童を主に映していて、日本の公学校教育のシステムのいくつかの面を見せてくれている映像になっていると私には思えました。そこで感じたのは、集団でのまとまり、統一感を紡いでいくことをほぼ疑いなく推し進めていて、それに子どもを順応させようとする教育方針で、その美しさというより、私はその怖さでした。また、とにかく子どもを頑張らせようとする姿勢が顕著に感じられました。映像では、運動会や新1年生を迎える歓迎行事の合奏とその練習風景にかなり焦点を当てた構成だったので、よりそれを強く感じたのかもしれません。

この作品は、教育大国と言われるフィンランドで20以上の映画館で上映される反響を得ているそうですが、障害児福祉という分野で仕事をしている私のような立場からすると、学校でこんなに頑張らされるのなら、デイ(放課後等デイサービス)では、がんばらなくていいよ、ゆったりのびのび過ごしてね、と子どもたちに声掛けしたくなります。デイでも細かにプログラムを立てて、子どもに何かを習得させようとする事業所もありますが、学校生活で頑張っているのだから、それ以上に頑張らさせなくていいのではないか、のびのび自分を出すことができる居場所であればいい、と私は強く思います。何か目に見える成果がないとアカンのではないかと思うのは、大人の目線・価値観が強く反映していると感じてしまいます。

ついでながら、撮影が2021年度ということもあって、当時はコロナウイルス感染症による緊急事態宣言が断続的に出されてたので、休校の時期、分散登校、就学旅行に中止や行先変更などが各地であった時期でもあるので、コロナ禍における貴重な記録でもあると思いました。